プロパー融資とは、信用保証協会の保証を付けずに、銀行や信用金庫などの金融機関が自らリスクを負って行う融資です。金融機関の担当者が「プロパーで」と言うときは、信用保証協会を使わない借入を指しています。
最初に押さえたいポイントは3つです。
- 信用保証協会に払う信用保証料はかかりません。ただし、担保や経営者個人の保証(経営者保証)を求められることはあります。
- 金利、借入額、返済期間は審査と契約で個別に決まり、保証付き融資より必ず有利になるわけではありません。
- どちらが上ということではなく、必要な金額、事業の実績、返済の見通し、保証料を含めた総費用で選びます。
以下、保証付き融資との違い、費用の比べ方、自社が検討できる段階か、相談前の準備の順に整理します。
※金利と制度の情報は、2026年10月20日時点のものです。
プロパー融資とは?信用保証協会の保証を付けない融資
プロパー融資は、金融機関と借り手(事業者)の二者で契約し、返済されないリスクを金融機関だけが負う融資です。信用保証協会が間に入る「保証付き融資(信用保証協会付き融資)」と対になる言葉として使われます。
銀行・信用金庫などが自らリスクを負って貸す仕組み
保証付き融資では、借り手が返済できなくなったとき、信用保証協会(中小企業や個人事業主の借入を保証する公的機関)が借り手に代わって金融機関に返済します。プロパー融資にはこの仕組みがないため、金融機関は貸すかどうか、いくら貸すか、どんな条件にするかを自らの判断で決めます。
「プロパー(proper)」は英語で「本来の」「固有の」という意味です。法律で定められた用語ではなく、金融機関が自らの資金と判断で行う融資を指す、実務上の呼び方です。
プロパー融資を行うのは、メガバンクだけではありません。地方銀行、信用金庫、信用組合も行っており、大企業だけが使える融資でもありません。中小企業や個人事業主も、金融機関が返済できると判断すれば利用できます。
「保証なし」でも、担保や経営者保証を求められることがある
プロパー融資の「保証なし」は、信用保証協会の保証を付けないという意味です。経営者が個人で会社の借入の保証人になる「経営者保証」や、不動産などの担保が不要という意味ではありません。
混同しやすい3つを整理すると、次のとおりです。
| 名前 | だれが何を負うか | 返済が滞ったとき |
|---|---|---|
| 信用保証協会の保証 | 信用保証協会が保証人になる。事業者は信用保証料を払う | 協会が金融機関に代わりに返済(代位弁済)し、事業者はその後、協会に返済する |
| 経営者保証 | 経営者個人が、会社の借入の連帯保証人になる | 経営者個人が返済を求められる |
| 担保 | 不動産や預金などを差し入れる | 担保が処分され、返済に充てられる |
保証付き融資も、返済の義務がなくなる仕組みではありません。協会が代位弁済した後は、事業者が協会に返済し、損害金も負担します。
経営者保証の有無も、保証付きかプロパーかでは決まりません。保証付き融資でも、法人は代表者の連帯保証を求められる場合があります(代表者以外の連帯保証人は原則不要、個人事業主は原則不要)。反対に、プロパー融資でも経営者保証なしで借りられる場合があります。経営者保証を外すための条件は、後の「経営者保証の有無も、条件の一つとして相談する」で整理します。
プロパー融資の主な形:証書貸付・短期の貸付・当座貸越
プロパー融資にも、いくつかの借り方があります。形によって返済の仕方が違い、資金繰りで注意する点も変わります。
| 形 | しくみ | 主な使い道 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 証書貸付 | 契約書(金銭消費貸借契約書)を交わし、決めた期間で分割して返済する | 設備資金、長めの運転資金 | 毎月の元本返済が資金繰りに影響する |
| 短期の貸付 | 1年以内の期日を決めて借り、期日に一括で返済する | 賞与や納税など、一時的に不足する運転資金 | 期日に返済するか、更新の審査を受ける |
| 当座貸越 | 契約した限度額(極度額)まで、必要なときに借りて返せる | 季節的な資金の過不足の調整 | 契約は期間を決めて更新するのが一般的で、更新されないこともある |
短期の貸付は、これまで手形を差し入れる「手形貸付」で行われてきました。手形・小切手の電子化に伴い、手形貸付の取扱いを終えた銀行もあります(例:りそな銀行は2025年9月30日で終了)。短期の融資をどの形で受けられるかは、取引先の金融機関に確認してください。
短期の融資を期日ごとに更新して続ける借り方は、「短期継続融資」と呼ばれます。期日に更新されなければ一括での返済を求められるため、短期の借入だけに頼らず、長期の借入と組み合わせて資金繰りを組み立てます。
プロパー融資と信用保証協会付き融資の違い
大きな違いは、返済されないリスクをだれが負うかです。そのため、審査をする機関、信用保証料の有無、借りられる額の枠が変わります。金利と返済期間は、どちらの方式でも個別の条件で決まります。
| 比べる点 | プロパー融資 | 信用保証協会付き融資 |
|---|---|---|
| 信用保証協会の保証 | 付けない | 付ける。原則として「責任共有制度」の対象で、金融機関も融資額の2割相当のリスクを負う |
| 審査 | 金融機関が判断する | 金融機関が審査し、信用保証協会も保証の審査をする |
| 信用保証料 | かからない | かかる。基準の料率は年0.45〜1.90%の9区分。自治体の助成で軽くなる場合がある |
| 金利 | 個別に決まる。保証付きより必ず低いとは限らない | 金融機関が決める。自治体の制度融資は利率の上限が決まっているものがある |
| 借りられる額の枠 | 保証制度の枠はない。金融機関の判断と商品ごとの上限がある | 保証の限度額がある(原則1企業2億8,000万円、うち無担保は8,000万円まで) |
| 担保・経営者保証 | 求められる場合と、求められない場合がある | 法人は代表者の保証を求められる場合がある。個人事業主は原則不要 |
| 返済期間・手続き | 案件と金融機関による | 制度ごとの保証期間の範囲で決まる。協会の審査の分、手続きが一つ増える |
責任共有制度は、信用保証協会と金融機関がリスクを分け合う仕組みです。全国信用保証協会連合会の説明によると、金融機関ごとに次のどちらかの方式を選びます。
- 部分保証方式:信用保証協会が融資額の80%を保証し、残りの20%は金融機関がリスクを負う
- 負担金方式:保証した時点では協会が100%を保証するが、金融機関が代位弁済の状況に応じて協会に負担金を払い、部分保証方式と同じ程度の負担を負う
どちらの方式でも金融機関がリスクの一部を負うため、保証付き融資でも金融機関が自ら審査します。創業関連の保証や小口零細企業保証などは、責任共有制度の対象外です。
この表の「信用保証協会付き融資」には、民間の保証会社が保証するビジネスローンや、日本政策金融公庫の融資は含めていません。公庫の扱いは、よくある質問で補足します。
保証料と利息を合わせた「総費用」で比べる
保証料がかからない点だけで、プロパー融資のほうが安いとは言えません。利息と保証料を足した総費用で比べます。
信用保証料は、融資の実行時にまとめて前払いするのが基本です(保証期間が2年を超える場合は分割払いもできます)。分割返済で据置期間(元本の返済を始めるまでの期間)がない場合、計算式は次のとおりです。
- 信用保証料 = 融資額 × 保証料率 × 保証期間(月数)÷ 12 × 分割係数
- 均等分割返済の分割係数:2〜6回は0.70、7〜12回は0.65、13〜24回は0.60、25回以上は0.55
仮の数字で比べてみます。1,000万円を5年(60回)の元金均等返済で借り、据置期間はないものとします。金利と保証料率は計算のための仮の値で、実際の相場を示すものではありません。
| 項目 | 保証付き融資(仮) | プロパー融資(仮) |
|---|---|---|
| 金利 | 年2.0% | 年2.8% |
| 信用保証料率 | 年1.0% | なし |
| 5年間の利息 | 約50.8万円 | 約71.2万円 |
| 信用保証料 | 27.5万円(1,000万円×1.0%×60÷12×0.55) | 0円 |
| 総費用 | 約78.3万円 | 約71.2万円 |
この例ではプロパー融資のほうが約7万円安くなりますが、プロパー融資の金利が年3.1%程度を超えると逆転します。元金均等返済の場合、保証料率1.0%は、金利をおよそ年1.1%上乗せしたのに近い負担です。
条件を比べるときは、次の点もそろえます。
- 借入額、返済期間、返済方法(元金均等か元利均等か)、据置期間
- 固定金利か変動金利か
- 自治体の保証料の助成。たとえば横浜市の制度融資(令和8年度)では、スタートアップおうえん資金は保証料の全額、設備更新資金は年0.3%を助成し、振興資金は助成がありません
- 事務手数料、担保を設定する費用、繰上返済の手数料
- 繰上返済をしたときの保証料の戻り(返戻)
保証料を払った後の会計処理(費用にする時期など)は、費用の比較とは別に考えます。
金利・借りられる額・返済期間は、方式ではなく条件で決まる
プロパー融資の金利、借りられる額、返済期間に、全国共通の基準はありません。金融機関が、借り手の財務内容、担保・保証の有無、期間、返済方法、そのときの金利情勢をもとに個別に決めます。
金利:プロパー融資は信用力の高い事業者が対象になりやすいため、低めに設定される場合があります。ただし、審査で個別に決まるため、保証付き融資より必ず低いわけではありません。変動金利は、短期プライムレート(銀行が信用力の高い企業に短期で貸すときの基準金利)などに上乗せして決めるのが一般的です。
金利の水準は、ここ数年で変わっています。日本銀行は2026年9月18日、政策金利を1.25%程度に引き上げることを決め、短期プライムレートを引き上げる銀行も出ています(例:住信SBIネット銀行は2026年10月1日から年2.925%に改定)。変動金利で借りると、借りた後に返済額が増えることがあります。金利が低かった時期の記事にある「相場」は、今の水準に合わない場合があります。
借りられる額:保証制度のような一律の上限はありませんが、無制限に借りられるわけではありません。金融機関は返済できる範囲で金額を決め、商品ごとの上限もあります。事業の実績が少ない場合は、保証付き融資のほうが多く借りられることもあります。
返済期間:一般的には、設備資金は設備を使う期間、運転資金は売上が入金されるまでの期間を目安に決めます。プロパー融資は短めの期間を提示されやすいと言われますが、一律ではありません。期間の長さは毎月の返済額に直結するため、次の章で資金繰りへの影響を確認します。
プロパー融資のメリットと注意点
プロパー融資を利用できれば、保証料がかからず、保証付き融資の枠を将来に残せます。一方で、審査では返済能力をより細かく確認され、条件によっては毎月の返済が重くなります。借りられるなら必ず利用すべき、というものではありません。
メリット:保証料がかからず、保証付き融資の枠を残せる
信用保証料がかからないことが、いちばんわかりやすいメリットです。
保証付き融資には、保証の限度額があります。一般的な保証は原則1企業2億8,000万円、小口零細企業保証は全国の保証付き融資の残高と合わせて2,000万円までです。プロパー融資で借りれば、この枠を使わずに済むため、売上が落ち込んだときや大きな投資をするときに、保証付き融資を使える余地が残ります。
ただし、枠を残すこと自体を目的に、条件の悪い借入を選ぶ必要はありません。将来の資金計画の一要素として考えます。また、プロパー融資を受けたことが取引先やほかの金融機関の評価につながると言われることもありますが、評価や追加の融資が約束されるわけではありません。
注意点:金融機関は返済能力を慎重に確認する
プロパー融資では、金融機関が貸倒れのリスクを直接負います。そのため、資金使途(何に使うか)と返済原資(何で返すか)がより慎重に確認され、創業まもない企業や財務が安定していない企業は、条件が厳しくなる場合があります。
審査では、主に次の点が確認されます。金融機関ごとの評価の配点や基準は公表されていないため、ここでは一般的な確認項目として示します。
- 損益計算書:本業で利益が出ているか
- 貸借対照表:債務超過(負債が資産を上回る状態)でないか、自己資本の厚さ
- 試算表(決算前の月ごとの業績をまとめた表)で見る、直近の業績
- 資金使途と金額の根拠(見積書、受注の資料など)
- 返済原資と、すでにある借入の返済額
- その金融機関との取引の状況(預金口座への入金など)
- 税金や社会保険料の滞納がないか(納税証明書で確認される)
注意点:返済期間が短いと、黒字でも資金が足りなくなる
借入の元本の返済は、経費になりません。返済期間が短いと、毎年の元本返済が事業で生まれる現金を上回り、損益計算書は黒字でも資金が不足することがあります。
金融機関が返済能力を見るときは、税引後の利益に減価償却費(設備の購入額を使う年数に分けて計上する費用で、その年の現金の支出は伴わない)を足した額を、元本の返済にあてられるお金の目安にする考え方がよく使われます。
仮の数字で確かめます。3,000万円を元金均等返済で借りる会社で、税引後の利益が年300万円、減価償却費が年200万円とします。
| 返済期間 | 年間の元本返済 | 返済にあてられるお金(税引後利益+減価償却費) | 差 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 600万円 | 500万円 | 毎年100万円が不足 |
| 10年 | 300万円 | 500万円 | 毎年200万円の余裕 |
同じ金額を借りても、5年返済では毎年100万円を手元の資金から出すことになります。利息は経費として利益の計算に含まれますが、元本の返済は含まれません。決算の黒字だけで判断せず、元本の返済と、法人税や消費税を納める時期まで入れた資金繰り表で確かめましょう。
契約の前には、返済期間のほか、据置期間、固定金利か変動金利か、担保・保証、手数料、繰上返済の条件を確認します。
プロパー融資を検討できるかの判断ポイント
業歴や黒字の年数に、一律の基準はありません。事業の実績、資金使途、返済原資を数字で説明できるかが判断の中心です。今の段階に合う方法から始め、保証付き融資との組み合わせも検討します。
| 今の状況 | 検討の目安 | 先に整えること |
|---|---|---|
| 創業前・最初の決算前 | 判断材料になる決算書がないため、一般にプロパー融資は難しい。公庫や制度融資から検討する | 自己資金、創業計画、必要な資金の内訳 |
| 決算1〜2期・保証付き融資を利用中 | 保証付き融資の返済実績を積みながら、保証付きとの組み合わせや少額のプロパー融資を相談する | 約束どおりの返済、試算表と資金繰り表の定期的な提出 |
| 決算を重ね、利益と純資産が安定している | プロパー融資を中心に検討できる。経営者保証を付けない条件も相談する | 返済原資と既存の借入の返済額、複数の条件の比較 |
| 赤字・債務超過・返済条件を変更中 | 新たなプロパー融資は条件が厳しくなる。原因と改善の計画を説明するのが先 | 改善計画、資金繰りの見通し |
この表は、借りられるかどうかを決める基準ではありません。金融機関や案件によって判断は変わります。
事業の実績・資金使途・返済原資を説明できるか
「3期連続の黒字が必要」といった目安を見かけることがありますが、金融機関が公表している共通の基準ではありません。審査では決算書の数字に加えて、借入の目的、必要な金額と時期、その根拠、返済の見通しを説明できるかが見られます。
相談の前に、次のことを整理しておきます。
- 何に、いくら、いつまでに必要か(見積書や受注の資料)
- その資金で、売上や利益がどう変わるか
- 返済にあてられるお金(税引後利益+減価償却費)と、すでにある借入の返済額
- 直近の試算表と、今後1年程度の資金繰りの見通し
- 税金・社会保険料の納付の状況
創業直後は、公庫や保証付き融資から検討する
決算書がまだない創業期は、日本政策金融公庫の創業向けの融資や、自治体の制度融資(信用保証協会付き)が中心になります。まだ決算の実績が少ない場合は、公庫と制度融資を比べて選びましょう。
そこで借りた融資を約束どおりに返済し、決算書や試算表を金融機関に定期的に提出していくことが、将来プロパー融資を相談するときの材料になります。ただし、すべての事業者がプロパー融資に移る必要はありません。保証付き融資の条件が自社に合っていれば、使い続けることも選択肢です。
保証付き融資と組み合わせる「協調」という方法
保証付き融資と同時に、同じ金融機関から一部をプロパー融資で借りる方法があります。プロパー融資だけでは難しい段階でも、金融機関がリスクの一部を自ら負う形で取引を広げられます。
国の制度では、2025年3月に「協調支援型特別保証制度」が始まりました。保証付き融資と原則同時に、その融資額の1割以上(融資期間12か月以上)のプロパー融資を受けることが、対象になる要件の一つです。2026年4月1日から2027年3月31日までの保証申込みは、国が保証料の3分の1相当を補助します。取扱期間は2028年3月31日までの時限措置です。
横浜市の制度融資にも「協調融資資金」があります。令和8年度の要綱では、保証付き融資と同時に融資額の1割以上(融資期間1年以上)のプロパー融資を受けることなどが対象の条件で、融資額は2億8,000万円以内です。利率には上限があり、固定金利は10年以内で年2.8%以内、変動金利は短期プライムレート+0.7%以内です。横浜市の制度融資では、横浜市信用保証協会が保証します。
どちらの制度でも、プロパー融資の部分は金融機関の審査で決まります。使えるかどうかは、取引のある金融機関に相談して確認しましょう。
経営者保証の有無も、条件の一つとして相談する
プロパー融資でも、経営者保証を付けずに借りられる場合があります。「経営者保証に関するガイドライン」では、金融機関が経営者保証を求めない可能性を検討するときに、次のような点を確認するとしています。
- 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分かれている
- 法人と経営者の間のお金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えない
- 法人の資産・収益力だけで返済できると判断できる
- 法人から財務情報が適時適切に提供されている
- 経営者などから十分な担保の提供がある
経営者保証改革プログラムにより、2023年4月からは、金融機関が経営者保証を求める場合、どの部分が十分でないために保証が必要なのか、どう改善すれば保証の変更や解除の可能性が高まるのかを、事業者と保証人に個別具体的に説明し、その結果を記録することが求められています。保証を求められたら、理由と、外すための条件を確認しましょう。
保証付き融資の側にも、経営者保証を付けない選択肢があります。
- 事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度:一定の財務要件などを満たす法人が、保証料率を年0.25%または0.45%上乗せすることで、経営者保証を付けずに借りられます。2026年4月1日から2027年3月31日までの保証申込みは、国が上乗せ分のうち年0.05%を補助します。
- プロパー融資借換特別保証制度:資産超過などの財務要件を満たす法人が、経営者保証を付けたプロパー融資を、経営者保証のない保証付き融資に借り換えられます。申込先の金融機関で、プロパー融資も経営者保証なしにすることなどが条件で、2027年3月31日の保証申込み分までです。
どちらも、横浜市信用保証協会で利用できる全国統一の保証制度です。プロパー融資と保証付き融資のどちらが自社に合うかは、金利と保証料に加えて、経営者保証の有無まで含めて比べましょう。
プロパー融資の相談から契約までに準備すること
決算書などの基本の資料に加えて、借入の目的と返済の見通しを数字で示す資料を用意します。何期分の決算書が必要かなどは、金融機関の指定に従います。
決算書・試算表・借入一覧をそろえる
主な資料は次のとおりです。金融機関によって求められる資料は異なります。
| 資料 | 法人 | 個人事業主 |
|---|---|---|
| 決算・申告の書類 | 決算書(貸借対照表、損益計算書、勘定科目内訳明細書)と法人税の申告書 | 確定申告書と青色申告決算書(白色申告は収支内訳書) |
| 直近の業績 | 試算表 | 試算表(帳簿から作る) |
| お金の出入りの予定 | 資金繰り表(実績と今後の予定) | 同左 |
| 借入の状況 | 借入金の一覧(借入先、残高、毎月の返済額、金利、保証・担保) | 同左 |
| 納税の状況 | 法人税・消費税などの納税証明書 | 所得税・消費税などの納税証明書 |
| 資金使途の根拠 | 見積書、契約書、受注の資料 | 同左 |
| 会社・本人の確認 | 登記事項証明書、印鑑証明書など | 本人確認書類など |
納税証明書は、返済能力を判断する資料の一つとして使われます。税金の滞納がある場合は、申し込む前に解消しておきましょう。
事業計画と資金繰り表で「何に使い、どう返すか」を示す
事業計画では、必要な金額と時期、その根拠、自己資金をどれだけ入れるかを示し、すでにある借入の返済と今回の借入の返済を合わせても資金が回ることを説明します。売上の計画は、希望の数字ではなく、受注、客数、単価などの根拠から組み立て、計画を下回ったときにどう対応するかも添えます。
資金繰り表は、今後1年程度について、月ごとの入金、支払い、借入の返済を並べた表です。税理士の立場から特に入れておきたいのは、法人税・消費税の納付(中間申告による納付を含む)や、賞与の支払いのように、毎月は発生しない大きな支出です。借入の返済とこれらの支出が重なる月に資金が足りるかを確かめておくと、返済期間や据置期間を金融機関と相談するときの根拠になります。
提示された条件を比べてから契約する
相談から融資の実行までは、一般に次の順で進みます。
- 取引のある金融機関などに相談し、必要な金額と時期を伝える
- 決算書、試算表、資金繰り表などを提出する
- 面談と審査を受ける(追加の資料や、担保の評価を求められることがある)
- 金利、期間、返済方法、担保・保証などの条件の提示を受ける
- 条件を確認して契約する
- 融資が実行され、入金される
条件を確認するときは、次の点を書き出して比べます。
- 金利:固定か変動か。変動なら、基準になる金利と上乗せの幅、見直しの時期
- 返済:期間、据置期間、返済方法、毎月の返済額
- 担保と経営者保証:求められた場合は、その理由と外すための条件
- 費用:事務手数料、担保を設定する費用、繰上返済の手数料
- 短期の貸付・当座貸越の場合:期日や契約の更新の時期と条件
審査にかかる期間や融資の実行を、金融機関が事前に約束するわけではありません。支払いの期日が決まっている場合は、最初の相談で伝えておきます。
プロパー融資についてよくある質問
個人事業主でもプロパー融資を受けられますか?
受けられる場合があります。法人か個人かではなく、事業の実態、確定申告の内容、返済原資などから金融機関が判断します。個人事業主は事業と生活のお金が混ざりやすいため、事業用の口座を分け、帳簿と確定申告書で事業の収支を説明できるようにしておきましょう。
創業から何年目で、プロパー融資を受けられますか?
決まった年数はありません。決算書がないうちは判断の材料が少ないため難しくなりますが、「決算が何期あれば受けられる」という公表された共通の基準はありません。保証付き融資の返済の実績と決算の内容を積み重ねながら、取引のある金融機関に、保証付きとの組み合わせや少額のプロパー融資から相談するのが現実的です。
プロパー融資の金利相場は何%ですか?
全国一律の相場はありません。借り手の財務内容、担保・保証の有無、期間、返済方法、固定か変動か、そのときの金利情勢で変わります。2026年は日本銀行の利上げが続き、短期プライムレートを引き上げる銀行もあるため、金利が低かった時期の記事にある数字は、今の水準に合わない場合があります。比べるときは、同じ金額・期間・返済方法で複数の金融機関の提示を受け、保証付き融資と比べる場合は保証料も含めた総費用で判断します。
銀行からプロパー融資を勧められたら、受けるべきですか?
本当に必要な資金かどうかで判断します。勧められたこと自体は、自社の信用力やメリットを保証するものではありません。資金使途と返済の負担、金利と期間、担保や経営者保証の条件を確認しましょう。いま借りている保証付き融資をプロパー融資に借り換える提案なら、保証料の戻り、金利や期間の変化、経営者保証の有無も比べます。不要な借入を増やすと、利息の負担と返済の負担が増えます。
日本政策金融公庫の融資は、プロパー融資ですか?
公庫も、信用保証協会の保証を付けずに直接貸します。ただし、公庫は国の政策金融機関で、政策の目的に沿った制度で貸すため、民間の銀行や信用金庫のプロパー融資とは分けて考えるのが一般的です。創業期や業歴の浅い事業者が検討しやすい制度もあります。
関連記事:日本政策金融公庫の融資制度
住宅ローンやアパートローンでいう「プロパー」は、同じ意味ですか?
金融機関が自らの基準で審査する、自前のローンという点は共通しています。ただし、信用保証協会は事業資金を保証する機関なので、住宅ローンには関わりません。住宅ローンでは保証会社の保証を付ける商品も多く、どの保証が必要かは商品ごとに異なります。この記事は、事業資金のプロパー融資を対象にしています。
プロパー融資を断られたら、すぐ別の銀行に申し込んでよいですか?
申込先を変える前に、伝えられた範囲の理由を確かめ、計画と書類を見直しましょう。資金使途の説明、返済の見通し、決算や試算表の内容など、断られた理由が解消されていなければ、別の金融機関でも同じ点が問われます。
関連記事:融資が通らない理由と改善手順
まとめ|プロパー融資は総費用と返済計画で選ぼう
プロパー融資は、信用保証協会の保証を付けずに金融機関が直接行う融資です。保証料がかからない一方で、担保や経営者保証は別に求められることがあり、金利や返済期間も個別の条件で決まります。
判断するときは、次の順に確認しましょう。
- 仕組み:信用保証協会の保証、経営者保証、担保を分けて考える
- 費用:利息と保証料を合わせた総費用、毎月の返済額、自治体の助成
- 返済の見通し:税引後利益+減価償却費で、元本の返済をまかなえるか
- 今の段階:創業期は公庫や制度融資から。保証付き融資と組み合わせる「協調」も選択肢
- 保証の条件:経営者保証を求められたら、理由と外すための条件を確認する
次の一歩として、借入の目的と金額・時期、直近の決算書と試算表、借入金の一覧、今後1年の資金繰り表をそろえ、取引のある金融機関に条件を相談しましょう。資金繰り表や事業計画のまとめ方に迷う場合は、よろず支援拠点や商工会議所・商工会の無料の経営相談も利用できます。





