2026年度税制改正大綱の解説②

今回の記事では、2026年度税制改正大綱の中から、
個人の実務や資産管理に影響が大きい3つの改正ポイントをピックアップして解説します。


青色申告特別控除は「デジタル対応」で最大75万円に

帳簿作成や申告のデジタル化を後押しするため、
青色申告特別控除の仕組みが2027年分の所得税から見直されます。

e-Taxによる電子申告に加え、
仕訳帳や総勘定元帳を電子データで適切に保存するなど、
一定水準の電子帳簿保存要件を満たした場合
控除額の上限はこれまでの65万円から75万円へ引き上げられる予定です。

一方で、紙による申告は大幅に縮小され、
控除額は55万円から10万円へ引き下げられます。
さらに、簡易帳簿を用いている場合でも、
前々年の事業所得や不動産所得が1,000万円を超えると、
10万円控除すら適用できなくなる点には注意が必要です。


暗号資産は「総合課税」から「分離課税」へ転換

暗号資産取引に関する課税方法も、大きな転換点を迎えます。

これまで暗号資産の所得は総合課税とされ、
所得水準によっては最大約55%の税率が適用されていました。
今後は、株式等と同様に
分離課税(20.315%)が導入される見込みです。

ただし、対象となるのは、
登録された暗号資産交換業者を通じた「特定暗号資産」の取引に限られます。

実際の適用時期は、金融商品取引法など関連法令の改正後、
その翌年1月1日からとされる予定です。


ふるさと納税は高所得者向けに「控除上限」を設定

ふるさと納税制度については、
高所得者への控除が過度に大きいとの指摘を踏まえ、
住民税の特例控除額に定額の上限が設けられます。

具体的には、
住民税における控除額の合計が193万円までに制限される仕組みです。
主に、給与収入がおおむね1億円超となる層が影響を受ける内容となっています。

この改正は、
2028年度分の住民税(2027年以降の寄附分)から適用される予定です。


まとめ:DXと公平性がキーワードの改正

今回の税制改正大綱では、
「デジタル化の促進」と「税負担の公平性確保」が明確なテーマとなっています。

特に、暗号資産の分離課税導入は、
投資環境や税務戦略に大きな影響を与える改正といえるでしょう。

改正内容ごとに適用時期が異なるため、
早めに自分の申告方法や資産管理の方針を見直しておくことが重要です。